世界一の研究者、技術者を育てる
応用自然科学科 学科長
山村 和也
学科案内
応用自然科学科は、「応用化学科目」「バイオテクノロジー学科目」「物理工学科目」「応用物理学科目」の4つの学科目で構成されています。理工学分野におけるあらゆる自然現象に関することが学問の対象です。自然現象のメカニズムを原子・分子レベルのミクロな視点から理解し、幅広い視野に立って工学的に応用できるプロフェッショナルを育てることに力を注いでいます。2年次より各学科目へ分属され、専門的な教育が実施されます。
応用化学コースに配属された学生は、2年次・3年次において、研究者・技術者として必要な化学の知識を身につけるための講義・演習・実験、化学英語に関する科目を履修します。そして、4年次に研究室に配属され、卒業論文作成に向けた研究生活が始まります。ほとんどの学生は、そのまま大学院工学研究科博士前期課程(修士課程)に進学して研究を続け、さらに、博士後期課程(博士課程)への道も開かれています。
物理、生物を含む全ての科学が原子・分子サイズの視点で見直されている現在、化学が培ってきた知識と技術が共通の言語となりつつあり、医学・薬学・材料・情報・環境・エネルギーなどの各研究分野を結びつけ、さらに発展させるための原動力となっています。応用化学コースを担当する研究室では、ハイテクノロジー時代に変革をもたらすための基礎化学を中心に、化学工業、自動車産業、電子・情報産業、環境保全、宇宙開発等に役立つ新素材の開発や物質変換の新方法の確立、資源・エネルギーの超高効率利用、高性能エレクトロニクス材料や、医薬品・医用材料などの生命科学関連化学品の開発などに関する先端的な教育と研究を行っています。また、超分子化学や分子生物学、ケミカルバイオロジーなどの物理や生物と融合した境界領域を切り拓く研究を推進しており、国際的に高いレベルの研究体制を保ちつつ、常に産業界を意識した特徴ある教育研究に取り組んでいます。
物理学と化学に加えて生物学を基礎とする、とてもユニークな学科目。さまざまな生命や自然現象のメカニズムを解明して、それらを工学的に応用し社会に貢献するための知識や技術を研究します。例えば、食品、飼料、医薬品、農薬などの有用物質の探索と生産理論の確立をはじめ、新しい生物機能の開発、環境浄化システムの開発など、生命科学を人間生活に役立てることを目指し、微生物から動植物までの幅広い生物が研究対象の学問です。
1年次では特に分野をしぼらずに幅広くさまざまな分野の学問と、工学専門英語を学びます。2年次からは興味のある研究分野を深堀し、3年次は実習が増え、学生実験室での実験もスタート。実験は大学院生がサポートしてくれ、実験はもちろん学校生活などの相談も可能。4年次からは研究室に配属し、英語論文を読んでの発表なども行い、卒業後は培った英語スキルを活かして、グローバルに活躍することも可能です。
もともと本科目は、応用自然科学科が始まるきっかけで、物理学を基本に自然現象の精密さをその極限まで駆使し、創造性に富んだ高度なものづくり技術を生み出すために昭和14年に設立された世界初の学科としてスタート。それ以来、半導体やエネルギー、情報・通信、宇宙といった分野に関連した最先端科学技術を切り拓く基幹工学の拠点として、そしてナノテクノロジーやIT技術の先駆けとして、重要な役割を担ってきました。
原子・分子をものづくりに活用する学問を学ぶ物理工学科目も同様に、2年次から専門的な知識や技術の学びがスタート。1人の学生に1人の大学院生が担当につき、普段の講義から卒業進路までフォローしてくれる「チューター制度」や、2年次の成績順で上位8名は特別に3年次から研究室に配属できる「トップ8制度」が特徴的です。3年次からはプラズマを使った実験や3Dプリンターを使った設計や製図が始まり、4年次からの研究室配属を経て、世界に通用する人材を育てます。
ナノテクノロジー、光科学、バイオ工学、数理学を中心に新しい科学・技術・産業の創出と、それを担う人材の育成を目指す応用物理学科目。応用物理学は常に進化し続けるので、最先端の研究を知り、最先端の技術を生み出すのがとても重要です。そのため、さまざまな学問や研究分野を総合的に学ぶことはもちろん、知的好奇心や創造力も磨く必要があります。
そこで1年次では幅広く学問を学ぶことで、多種多様な分野の最先端に触れられるのが特徴です。2年次より専門性を高めていき、3年次では演習や実験など実践的に学びを深め、4年次ではその集大成として研究室へ配属します。ほとんどの学生は大学院へ進学。大学院卒業後は行政や国内外の企業、ベンチャービジネスのスタートアップなどの研究者・技術者として活躍できるプロフェッショナルを目指します。